めぐろ区、区立保育園3園廃止条例提出!反対は共産党目黒区議団のみ!

こんにちは! 芋川 ゆうき です。

11~12月議会の中で新たに区立の保育施設が3園廃止する条例が可決されました。

条例に反対したのは、日本共産党目黒区議団のみでした。

今回廃止が決定したのは

指定管理者制度での運営が行われていた区立2園

中目黒駅前保育園、目黒保育園

直営で運営されている

東山保育園です。

以前は「目黒の保育は日本一」とまで呼ばれていた、産休明け保育、病児保育など区民の要望を行政が努力することで作り上げられてきた保育園の体制が民営化の名のものとでどんどん廃止されています。

区は区立の保育園は金額がかかることを言い訳にしていますが、地域避難所の一つの役割である福祉避難所にもなっています。

もちろん、保育士の安定雇用一つみても、年に1、2人が退職する区立保育園(公務員)と違い、民営の保育園は退職者も多くなります。今回の指定管理者制度での民営保育園はなんと直近の年度で年間10名の常勤の退職者がいます。子どもたちの安心、安全が一番です。

それでなくとも、現在目黒区には認可外含めて約140施設の保育施設があり、認可保育施設でも79園、かつ区立は20園しか存在しません。

この限りある、区立園を堅持していくべきです。

討論内容です。

2019.12.5 第57議案 反対討論 芋川ゆうき
 私は、日本共産党目黒区議団を代表して、議案第57号、目黒区立保育所条例の一部を改正する条例に反対の立場から討論を行います。

 本条例は平成25年4月に「区立保育園の民営化に関する計画」を策定し、指定管理者制度の中目黒駅前保育園、目黒保育園、そして直営の東山保育園を廃止するため、条例改正の必要から提出されたものです。すでに平成17年に制定された「指定管理者制度活用の基本方針」のもと、効率性を求める指定管理者制度の運営の中での継続性と安定性が不安視され、保護者や保育関係者が立ち上がり、築き上げてきた質を担保するために経験豊富な保育者の配置、施設整備の要望をし、区としても努力してきた経緯がありますが、それでも責任は後退しました。民設民営になり、より一層責任の後退が懸念されます。さらに、民営化に関する計画の中では今後も「検討」とあり、鷹番保育園以降も公立保育園が廃止されていく可能性が残っています。先進的な内容である「目黒区子ども条例」を掲げた区であるからこそ、子どもたちに対して責任を持つべきです。

以下、反対の理由を3点述べます。

一点目は、公立保育園が蓄積してきた重要な役割が損なわれていくことです。平成30年の東京都の保育ニーズ実態調査によれば、都民が希望する保育サービスは52%が公立園と訴え、私立認可園39%を大きく上回りました。目黒区の公立保育園は、区民と保育関係者が運動し、産休明け保育、障害児保育、延長保育、アレルギー対応を先駆的に取り組みました。さらに保護者が医療的ケア児や発達障害児の保育を要望し、それに行政が応え、困難ケースの児童も受け入れるなど保護者と一緒になって全国でも誇れる質の高い保育を実現してきました。公立保育園は地域の子育て支援の拠点としての役割も担っています。さらに地域の関わりでは、地元の顔が見える八百屋、魚屋などから食材を購入するなど、安心な給食が作られ、地域と一緒になって園を作っていくという体制がとられています。私立では、運営についてはお願いしかできません。まさに、公立園は区内全体の保育の質をけん引するとともに地域に根付いた役割を果たしているのです。また、昨今の自然災害が多発している中で、公立保育園は大きな役割を担い福祉避難所にもなっています。私立園は公の施設ではありません、あくまでも自主的な取組を行っており。公立園と到底、同じレベルを求めていくこともできません。

二点目は、保育の質についてです。質を守っていくことは人的要素が大きく経験を積んだ保育士の安定的な確保によって支えられており、経費の大部分を占める人件費の削減は、正規の職員を減らし低賃金の不安定雇用を増大させ保育の質の低下を招きます。また、今回の指定管理事業者の一つは直近での退職者を常勤職員で年間10名を数える時があり、公立園での年間1、2名と比べると多すぎます。保育士の安定的な確保や、保育士の継続性、保育の継承も保障されなければいけません。厚生労働省の公表している平成27年のデータでは、保育士の経験年数において6年未満が公立で29.6%、私立で46.8%、一方で14年以上の経験年数だと公立で40.4%、私立では20.2%と大きく開きがでています。
以前に私立で起こった実例ですが、区内の小規模園に通わせている保護者からの相談です。経営者と保育士の間に雇用のトラブルが起こり、保育士が全員辞めるという意向の内容でした。本来は2名体制でなければいけない人員体制が、一人で保育が行われていたという事態になっていました。一歩間違えば、取り返しのつかない重大な事故につながりかねません。今回の廃止条例についても私立の園になることで、5年間は区立の基準を維持するとしているものの、期間が過ぎた段階で区の職員の加配もなくなります。もちろん、民間でも保育に対して志を高く持ち、取組んでいる事業者もありますが、子どもの権利を守るためにも、保育士を守り、育て、安定して働くことができる公立での運営を堅持していくべきです。

三点目は、公的役割をもつ区立保育園を経費削減の名のもとに減らしても良いのかという点です。目黒区は福祉系職員が多いと言って保育士を減らし、人件費を抑制し、「区有施設見直し計画」の下で民営化が行われています。こういったことはどこの自治体でも行われており、日本共産党都議団の調査では全認可保育園の60%を占めていた公立保育所は、35%まで減少しています。その背景には、施設整備費や運営費への補助が、国からも都からも出なくなったことにあります。これに関して、公立保育園の増設、建て替えを行う場合に国や都が補助を行うよう広く物申していくべきです。行革を行い、限りある公立保育園を廃止していくべきではありません。

以上、3点にわたって反対の理由を述べました。
 最後に、今、子どもの貧困や虐待など、子どもの成長環境が大きく脅かされています。その中で区の役割が問われています。「目黒区子ども条例」を生かし、公立園を減らさないことを要望して、反対討論といたします。

また、下記関連ページです。

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